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「ハーイ質問です! コンスコンって何ですか?」
 いづみくん、質問は大変結構だが、もう少し私の耳から離れてしてくれんかね?
 コンスコンとはアニメ【機動戦士ガンダム】に登場するキャラクターの一人だ。

「ガンダム、ってよく知らないんだけど……。ヒイロが出てるやつ?」
 違うよ、いづみくん。それは【新機動戦記ガンダムW】だ。私が言っているのは【機動戦士ガンダム】。同じような名前だが【新機動戦記ガンダムW】と【機動戦士ガンダム】の間には直接的な関係はない。
 それでコンスコンなのだが、うーむ、私的には超有名なのだが、お友達にはあまり有名ではないようだな。

「えー、軍神なのに有名じゃないの? だって、ガンダムって戦争アニメでしょ?」
 ……むう。その“戦争アニメ”ってところに小さなトゲが見え隠れする気がするのだが……。まあよしとしよう。
 コンスコンは、実はお友達の間では、あまりいい評価を得られていないようなのだ。
 そこで今回の真実編集室はその不遇のキャラクター、コンスコンにスポットを当てようと考えた次第だ。解ったかね、いづみくん?

「ハーイ分かりました室長! 要はコンスコンってキャラクターがどれだけ効率的に人を殺してまわれたのかを証明するんですね! しかも実在の人物じゃなくて、たかがアニメの登場人物の!」
 ……いづみくん……。

 ではまず、コンスコンについて説明しよう。いづみくんは知らないようであるし、完全に忘れてしまったお友達も多いと予測されるからな。

「ねえねえ、かっこいい? 美形?」
 いろいろな制約の都合上、いづみくんにだけ見せてあげよう。

「げげっ! 何このヒゲデブ親父! きもい~!!」
 ……いづみくん、それはいくら何でもちょっと言い過ぎだぞ。それに真実編集室の編集者とは思えない主観的感想だな。
「だって0.3ナノ秒でそう思ったんだもん」
 ……、話を続けようか。まず、コンスコンはジオン公国軍の少将閣下だ。
「あ、その“じおん”ってのは聞いたことあるよ。でも室長、こんな親父を閣下なんて呼ぶ必要ないよ」
 将官の敬称は閣下なの!
 ……あー、なお将官というのは基本的に大将、中将、少将の事だ。
 ジオンとは人類の全生活圏を統括していた地球連邦に独立戦争を仕掛けた国の名前であり、このジオン公国軍と地球連邦軍の戦いが【機動戦士ガンダム】の背景として存在している。

「やっぱり戦争アニメだ」
(無視して)そしてコンスコンは第三十三話【コンスコン強襲】及び第三十四話【宿命の出会い】に登場している。

「中途半端なところに出てくるんだね。それに三十四話ではコンスコンは“ついで”みたいだけど?」
 ……的確なツッコミはしないでくれないか。頼むから……。
 ともかくコンスコンは二話にかけて出てきていて、ザビ家以外の唯一の将官なんだ。

「だ~か~ら~、暗号は使わないでよ室長。ザビ家って何?」
 すまんすまん。どうも私は“ガンダムに出てくる単語は常識”という真実を持っているようだ。できる限り改めることを約束しよう。
 さて、ザビ家というのはジオン公国を実質支配していた者達だ。ジオン軍も完全にザビ家に支配されていた。ちなみに、そのザビ家としてデギン公王、ギレン大将、ドズル中将、キシリア少将、ガルマ大佐が主に登場している。
 そして【機動戦士ガンダム】中でジオン軍将官であるとはっきり明言されているのは上記の将三人とコンスコン少将のみである。(注:キシリア少将の副官トワニングは准将であるとの情報もあるが【機動戦士ガンダム】中に明言はない。また【機動戦士ガンダム】以外の作品には何人かの将官が登場する)
 ジオン軍は実力主義である。ザビ家は確かにジオン軍を支配していたが、それは実力故とも言えるほどの能力をおのおの持っていた。そのザビ家のキシリアと同位 、ガルマより上位の官位を持っていたコンスコンが無能であるはずがないのだ。

「(ザビ家の資料を見ながら)ふーん。デギン公王以外、みんな若いみたいだね。どこぞの誰かと違って」
 ……。

 ある資料は『コンスコンは猛将である』との的確な評価を与えていた。だがこれはちょっと舌足らずと言わねばならない。

「高望みは身の破滅、っていつも室長言ってるじゃん」
 ちょっと違うような気もするが……。とにかく猛将であるというのはもちろんだが、さらに知将も付け加えるべきだ。

「猛将で知将だったら完璧じゃないの?」
 そう、コンスコンは完璧だった。ただ運がなかっただけなのだ。

 

 ではまず【機動戦士ガンダム】における、コンスコンの戦歴を見てみよう。

 U.C.0079の十二月、ジオン公国軍宇宙要塞ソロモンから特別機動部隊を率い、サイド6へ出撃。
 サイド6境界線付近で地球連邦軍第十三独立戦隊所属のペガサス級強襲揚陸艦へ先制攻撃。
 特別機動部隊側の戦力は艦艇三隻(旗艦チベ級高速重巡洋艦×一、ムサイ級軽巡洋艦×二)とモビルスーツ、MS-09Rリック・ドム十二機。対するペガサス級強襲揚陸艦側の戦力はペガサス級強襲揚陸艦ホワイトベース一隻とモビルスーツ、RX-78-2ガンダム、RX-77-2ガンキャノン、コア・ブースター、各一機。
 結果、特別機動部隊は全滅。ペガサス級強襲揚陸艦側は被害無し。

「三対一、四対一で、しかも先制攻撃で相手は無傷で負けたの? やっぱ無能なんじゃない?」

せからしか!

 ……ゴホン。

 あー、確かに登場したところの結果のみを見れば無能の誹りもやむなしだが、真実は違うのだ。これからその、多くの根拠を挙げてみよう。

 

1・艦艇三隻、リック・ドム十二機を集めた

 コンスコンは少将なので普段、特別機動部隊のような小さな部隊(中隊クラスか?)を指揮することはない。(少将は通常 、師団の長である) であるからして特別機動部隊は出撃直前に編成されたと推測される。
 そして当時、ジオン軍は極度に疲弊し、艦艇はおろかMSの補給も思うようにならなかったとされている。その時期に、戦闘部隊を短期間で調達したコンスコンの政治力ははかりしれないものがある。
「最初から特別機動部隊は存在していて、ここにしか指揮権を持っていなかっただけだったりして」

2・コンスコン死後の、ドズルの政治力低下

 コンスコンはドズル・ザビ中将の直属である。
 そのコンスコンが戦死した後、ドズルが指揮する宇宙要塞ソロモンへの補給が今まで以上に滞るようになる。またドズルの懐刀といわれたエースパイロット“白狼”シン・マツナガ大尉も直後にドズルのもとから引き離されている。
 これらの件に関してはドズルとサイド3(ジオン公国の本国)のギレン・ザビ大将や、グラナダ(月面にある基地)のキシリア・ザビ少将との確執とも言われている。しかしコンスコンの死後、急にこれらのことが起こったことを考えれば、コンスコンがドズル中将と二人の間で、様々な政治的調整をしていたに違いない。
 これはコンスコンがジオン軍において、いかに重要な位置にいたかを雄弁に物語っている事例だろう。
「……違いない、ねえ……」

3・自ら出撃

 コンスコンが自ら最前線へ出る必要性は全くない。しかしコンスコンはドズルの弟であるガルマ・ザビ大佐の仇討ち(二ヶ月ほど前に先のペガサス級強襲揚陸艦と交戦、戦死している)として出撃したのである。ここら辺が猛将と評価されたところであろう。
 またコンスコンはルウム戦役(【機動戦士ガンダム】で描写されている戦い“一年戦争”の初期にあった激戦の一つ。最大の艦隊戦)以前からドズルの直属であったとされている。
 となればもちろん一週間戦争(同、初戦。三十憶以上もの人々が宇宙に散っていった)にも出撃しているだろうし、そしてそれよりさらに前、ジオン公国が共和国であったときの国防軍で海賊狩りでもやっていたのかもしれない。

 自ら前に出て戦う。自分の保身ばかり考える腰抜けの無能将官ではない証拠である。
「想像力が膨らんでるねぇ、室長?」

4・南極条約調印式に出席

 コンスコンの政治力に関してもう一つ。
 一年戦争初期にジオンは地球連邦と“南極条約”という重要な条約を締結している。
 そこにコンスコンはいたのである。すなわち今後に大きな影響を与えるであろう(そして実際に与えた)条約をジオンの代表の一人としてまとめ上げたのである。この事例は、いかに彼が政治面でも信頼があったかを裏付けるものだろう。
「資料によると南極条約締結はジオンのもくろみとは違うものだったって……。誰のせいだろ……」

5・戦術

 さらに破れたとはいえ、その戦術は水準以上のものであった。
 まず、その戦力。
 実に三倍以上の戦力でもって攻撃しているのである。他の敗れ去った者達は同等かそれ以下の戦力であった。(ガルマ大佐は大兵力でもって攻撃したが悲しいかなモビルスーツは数機のみだった)
 そこに最新鋭モビルスーツ、リック・ドムを十二機も差し向けたのだ。これは通常に考えるなら多すぎるほどの戦力である。
 そして先制攻撃。
 戦場となったサイド6は中立国である故にその海域での戦闘は条約違反となる。その盲点をついての攻撃であった。境界線ぎりぎりで攻撃したのだ。
 先制攻撃は戦闘の基本中の基本である。そして、まだ攻撃はないという心理的な隙もついていた。並の指揮官なら条約違反を恐れてできなかったことであろう。
 またモビルスーツも事前に展開させていた。特別機動部隊は完璧な戦術でもって攻撃したのだ。
 そのコンスコンがある大佐に言った台詞がある。
『私の手際を見せてやる。よく見ておくのだな』
 確かに手際は良かった。だが……。
 二つの不運があった。
 初撃が全弾外れたのだ。まさに不運である。
 相手が強すぎたのだ。
 確かに相手は名だたるジオン軍エースパイロットを破ってきた強者だとはいえ、強すぎた。
 その理由はRX-78-2ガンダムに搭乗していたパイロットが“ニュータイプと呼ばれる存在に備わる能力”を完全に引き出していたためである。
 実際、戦闘に参加したリック・ドムのパイロットの一人がこう言っている。
「まるでこっちの動きを読んでいるようだ」
 これではいかに戦術が優れていようと無駄である。どんな攻撃でも避けてしまうのだから。こちらは歴戦とはいえ普通の兵士なのだから。
「これは、その通りだね」

 

 どうだい、いづみくん。これでコンスコンが能力の高い軍人であり、軍神としても差し支えなど全くないことが理解できただろう?
「うーん、かなり強引なような気がするけど……、それが真実編集室のやり方だもんね」

 り・か・い・で・き・た・だ・ろ?!
「はいはいはいはい! 理解できました室長!」

 よろしい。では今後、真実編集室は軍神コンスコンを崇め奉るからそのつもりで。毎日欠かさず神棚を掃除し、一日三回は手を合わすように!

「えー!!」

 

編集後記:

「はにゃ? こんなコーナー、あった?」
 うむ、実はこの【軍神コンスコン】は、もうかなり前に書かれたものであり、しかも実際には一部の資料以外には何も見ずに書いたシロモノだからして、なかなかに間違いが多かったりしたのだ。
 であるからして、こうして加筆修正を加えた、というわけだ。まあ所詮騙りなんで最低限しかしていないがな。

「なんか【機動戦士ガンダム 公式百科事典】なる物騒なものも出ましたしねぇ」
 アレは確かに物騒だな。なにせ基本的に予約販売のみで、しかも“いちまんごせんえん”もするし、さらにあまりの分厚さ、重さで確実に凶器にもなるってものだからな。

「そういえばあの時の室長は金欠病に罹ってたような気がするけど?」
 ……今も罹っているよ。

「……。え、と、で、これ、正しいんですか?」
 何がだ?

「あの、いや、この上に書いてある文章なんですが」
 ここは真実編集室だ。

「はぁ、まあそうですけどね」
 結局のところ、どこまで正しいのかは誰にも解らんよ。公式百科事典だって混乱しているからな。

「……そうなんですか? まあいいか。コンスコンの事なんて誰も気にしてないし」
 ぬ?! それは聞き捨てならんな!! 我らが軍神コンスコンに対して、なんたる侮辱的な発言を!

「……まだ軍神だったんですか?」
 まだとはなんだまだとは! しかるにいづみくんは……。……。…

 

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