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ギャンは素晴らしい!

「ど、どうしたんですか室長。いきなり素敵な感じの戯れ言を言い出して……(っていつものことか)」
  おお、いづみくんか。どうだね、もう【機動戦士ガンダム】は全部観たかい?

「はい。シッカリと観ました。本編から戦略戦術大図鑑まで全部! いやあ二十年も前の作品とは思えないですね、作画以外。最近のアニメに爪の垢を煎じて飲ませたい気分です。ただの戦争アニメにしてはなかなかでした!」
……相変わらずキツいね、いづみくん……。まあいいか。もう全部観たのなら話は早い。 ギャンというMSは知っているだろう?

「はあ、後半に出てきた青い奴ですね。確かシャアのゲルググと一緒にいた……」
  うむ、それがギャンだ。実はこれからそのギャンがいかに素晴らしいMSであるかということを得々と証明していくところだったのだよ。よし、出かけるまでにまだ時間もあることだし、いづみくんにも聞かせてあげよう。

「はぁい(得々と、って自分で言ってるし。相変わらずだなぁ……)」

1・まず何より外見が素晴らしい!

 YMS-15ギャンは素晴らしい外見を持ったMSである。
 いくつもの資料にも書いてあるように、どんなMSよりも人間らしいシルエットである。そのくせ中世の騎士を思わせるそれも持ち合わせている。特にモノアイ(MSのカメラ・アイのこと)可動部の十字が素晴らしい!

(ギャンのモノアイ可動部の横って、実はつながっているんだけどなぁ……)

2・漢らしい装備が素晴らしい!

 ギャンの基本装備はビームサーベルとシールドのみである。こしゃくなライフルやマシンガンなどはそもそも装備リストに入っていない。とにかく近づいて叩っ斬ることのみを考えているのだ。漢らしい!
 シールドにはミサイルを仕込んである。シールドに爆発物を仕込んでわざわざ盾として使用できなくし、その身一つで突っ込んでいくという戦術を用いているのだ。 戦国時代の日本では盾は敵を遮る壁だから卑怯であるとの考えがあった。すなわちギャンは武士の心をも体現しているのである。素晴らしい!

(外見が中世の騎士なのに武士の心? だいたいシールドにミサイル仕込んだのって単に何も考えていなかっただけじゃあ……? それに、ハイドボンブは?)

3・素人が操縦しても強いのが素晴らしい!

 ギャンを実際に操縦していたのは、あのマである。だが、マがエースパイロット並の操縦能力を持っていたとは考えにくい。それなのに、あの白い悪魔ガンダムと一対一でいい勝負をしたのである。 故にギャンには優秀な操縦支援システムと軽快で癖のない運動性を備えていたと考えられる。
 そのころのジオンは優秀なパイロットをどんどん失っていたので、この点も高く評価することが出来よう。ゲルググではなくギャンが量産されていたならあるいは?! とつい考えてしまう。

(マって何? ! もしかしてマ・クベのマ?! それにさぁ、架空の話のさらに架空の話なんて、どうしてそんなメタなこと考えるのかねぇ……)

4・決戦MSであるのが素晴らしい!

 ギャンは来るべき決戦に備えて開発されていたMSであることは想像に難くない。
 根拠をあげよう。
 まず、3で書いた操縦性の良さである。これにより取り立てて特徴のない平均的なパイロットでも良い戦果が望めるだろう。
 また白兵戦用としたのも根拠の一つである。 何故なら汎用だと覚えなくてはならないことが多すぎるし、概して射撃武器は扱いにくいものである。その点優秀な操縦支援システムさえあれば白兵戦のみに限定した方が効率が良いのである。(誰かが言っていたようにコンピュータ制御の射撃は正確“すぎる”ため、逆に命中しにくくなるのだ)
 また白兵戦用というのは、敵も多くのMSを運用してくるとの予測からだ。その予測は正解であり、また白兵戦用の方が良い状況まで生まれた。
 ソロモンやア・バオア・クー(2つともジオン軍の宇宙要塞)での戦いである。この二つの戦いはまさに泥沼化した。この肉薄戦においては白兵戦に秀でたものの方が良いに決まっている。
 特に二つの要塞内部はとても狭いので射撃武器はあまり役に立たなくなる。この辺もギャンは突き主体のビームサーベルを装備といった凝りようで対処している。
 さらに言えば、もしジオンが優勢であったならジャブロー(地球連邦軍の本拠地)へ攻め込むことになったはずである。もちろんジャブローも狭く、障害物が多々あり、さらに崩れやすい。ギャンのシールドはこのジャブローを攻撃する際には絶大な効果を発揮したに違いない。
 何とギャンはジャブロー攻略をも視野に入れて設計されていたのだ! 素晴らしすぎる!

(コワイよ~……。室長の目、イッちゃってるよぉ……)

 どうだねいづみくん。これでギャンがとても素晴らしいMSであると理解できただろう?

「はあ、まあ、その、だいたい……」
 なんだ、まだよく解っていないみたいだな。だからだな、そもそもギャンは……。

「あーはいはいはいはいはいはいはい。もう全然完璧すっきり申し分なく完膚無きまでに昼夜を惜しまず色即是空な感じで理解できました!!」
 それならいいんだ。 おお、もうこんな時間か。ではちょっと出かけてくる。留守番を頼んだよ、いづみくん。

「はぁい、(事象の地平面の彼方まで)いってらっしゃぁい……」

「……疲れた。これだからガンダムに魂を惹かれた人って……」

 

編集後記:

「ギャンですね」
 ああ、ギャンだな。

「何故ギャンなんですか?」
 ……なんでだっただろうな。もう忘却の彼方へ飛んでいってしまっているよ。
 まあこの【決戦モビルスーツ、ギャン】は真実編集室を公開する時、【軍神コンスコン】だけでは寂しかろうと急遽書いただけのものだったような気がしないでもないが……。

「しかしまあ、加筆修正は“ほぼ無し”でしたね。あとちょっと気になったんですが、なんかこれ、今読んだら【公式百科事典】の記述を焼き直しただけだって誹られそうなほど内容がそのまんまですね」
 そんなこと言われてもなぁ。ただ真実を編集したらそんな感じになっただけだし。

「ぢゃあ、ギャンに関しては事実と真実の差がそんなに無かった、ってことで」
 ……ま、そういうことにしておくか。

 

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