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「アッガイ?! アッガイはどこだ?!」
「あ、どうも、カジハラ予備役中佐。のっけからトばしてますね」
「当たり前だ! アッガイこそ我が心のオアシス、我が青春の1ページなのだ! ワシが買ったガンプラ1/100はアッガイだけなのだ!」
(はあ……。知ってはいたけど、カジハラさんも奇特な人だなぁ)
「それなのに! 騙り部のヤツめ、締め切りを3週間も過ぎているというのにまだ出来ていないとかほざいておる。よってワシが直々に原稿を取りに来たのだ」
「カジハラ予備役中佐は軍にお勤めじゃなかったんですか?」
「予備役、といづみくんも呼んでおるだろうが。今は府でバイトだ」
 ふうスッキリした。 ってカジハラではないか! ヤベ!!

「むを、騙り部め! そんなところに隠れておったか! いざ神妙にお縄につけい!』」

 ……

「最初から早く出しておれば良かったのだ」
 いや、私もアッガイには思い入れがあるからな。書いてはいたんだが、いまいち満足できなくてな。しかし突破口は見つけた。

「おお! それは一体?!」
 それは、今まで書いていたものを含めて、今から騙っていこうと思う。 いづみくんもつき合ってくれ。
「はぁい」(室長もアッガイなんだ。……なんでアッガイなんだろう? なんか虎馬でもあるんだろか?)

 

1・一年戦争

 MSM-04アッガイを深く理解するためにはまず、アッガイが開発、生産された一年戦争のことを知っておいた方がいいだろう。

「一年戦争って、【機動戦士ガンダム】のアレですよね。そんなのはさすがに知っていますよ」
 いや、今の若い子たちは意外と知らないんだ。私もびっくりしたんだがな。
「【新機動戦記ガンダムW】しか知らない子らもたくさんおるぞ?」
 そうだろう。それは別に悪いことじゃないが、やはり原点は知っておいた方がより楽しめると思うのだがな。ん、これは前にも言ったかな? まあいいか。
 それと【機動戦士ガンダム 】で語られている一年戦争は、その最後の方の2ヶ月半でしかないんだ。それだけの知識ではアッガイがいかに素敵なモビルスーツであるかを理解することは難しいだろう。そこで関連事項の簡単な要約を示したいと思う。
(う~、別にあたしは理解したいわけじゃないんだけどなぁ)

 ジオンは0079/02/07より地球侵攻作戦を開始し、瞬く間に多くの連邦軍の重要拠点を占領した。その一つ、キャリフォルニアには無傷の潜水艦部隊が残されていた。それを知ったキシリア・ザビ少将はそれをそっくり利用して戦略海洋諜報部隊を設立させた。
 ジオンは地球侵攻作戦開始以前より水中での行動が可能なモビルスーツの開発に着手していたとされる。その第一弾として汎用モビルスーツであるMS-06Cザク2を改修した、MS-06M(後、MSM-01)ザク・マリンタイプを開発した。
 その後、MSM-02を実験用に開発し、7月頃に本格的な水陸両用モビルスーツ、MSM-03ゴッグの開発に成功した。
 ゴッグは優秀なモビルスーツであったが、地上での作戦行動時間が短いなどの欠点も少なからずあった。そこでジオンはさらに水陸両用モビルスーツの開発を進めることになった。様々な開発プランが上がったが、その中で実際に開発された機体はMSM-07ズゴック、MSM-10ゾック、そしてアッガイであった。(MSM-04N、MSM-04Gを含む。またMSM-08ゾゴックも開発されたとする資料もある)

「海で活動する軍隊はジオンには最初、なかったんだ。それなのに海用のモビルスーツを作っちゃうジオンって凄いかも」
「何でも海を再現していたリゾート用コロニーでも開発をおこなっていたらしいぞ」
「ほへ~、よくやる~」

2・アッガイの役割

 アッガイは他のモビルスーツにはない点をいくつも持っている。 それを順に見ていくことにしよう。

 まず、アッガイはMS-06ザク2の部品の多くを流用することができた。これにはいくつもの大きな利点がある。
  第一に、最大生産数を誇るザク2の部品を流用できるということは、コストパフォーマンスに優れているということである。どのようなものでも、たくさん作ればその分コストは低くなるものなのだ。
 第二に部品が同じなら、その整備方法も変わらないので整備しやすく、稼働率が上がるという点である。
 第三に大量に生産されている部品なら、補給もしやすいものなのだ。
 このころ戦局はすでに膠着状態に陥り、ジオン地上軍は慢性的な補給不足に悩まされてきた。そんな状況では高価で扱いづらく、消耗部品すら満足に補給を受けられないモビルスーツなど、あっても宝の持ち腐れだったのだ。ゆえにアッガイは、状況を見越した実に素晴らしいものであったといえるだろう。

 また、アッガイは隠密性に優れていた。水中航行中にノイズが出にくい形状になっており、装甲には赤外線や電波を吸収する塗料が塗られ、廃熱に関しても対策が施されていたのだ。このようなモビルスーツはアッガイぐらいのものである。

 さらに索敵能力も高かったようだ。通常は指揮官機などに使われる高い能力を持つ通信機器やレーダー、ソナーなどを全機に採用していたのだろう。
 またアッガイもジオン製モビルスーツの例に漏れず、モノアイを採用しているのだが、全周囲及び上方へ稼働するモノアイはアッガイが最初であるのだ。このことから目視性も良いことが分かる。

 そしてこれもアッガイ独自のものなのだが、パイロット以外にも一、二名ほど乗せることが出来た。ごく少数ながら兵員輸送の任務にも就けたのだ。前述の隠密性とこれを組み合わせて考えると、実に恐ろしいことになるのだ。
  すなわちアッガイは沿岸や大きな河の近くなら、どこにでも奇襲をかけることが出来るし、またどこにでも兵士を上陸させることが出来るのだ。
 これはジャブロー(連邦軍最高司令本部が置かれている最大の拠点)攻略時、いわゆる第二次ジャブロー攻略作戦において、その威力を証明している。 アッガイはジャブローの奥深くに潜入し、特殊工作員をジャブローに放ったのだ。
 また河から突如現れて要人を誘拐するなどの目的でも使われたり、索敵能力の高さから各種偵察行動にもよく使われていたようである。

 アッガイは戦闘のためのみに開発されたモビルスーツではないことは明らかである。上記の能力は、他の戦うことしかできない大多数のモビルスーツとは一線を画するものであり、これがアッガイの魅力の一部であるのだ。

(魅力の一部、ってまだあるの? うへぇ。それにアッガイって何かコソクな感じがするモビルスーツなんだよなぁ)

3・アッガイの武装

 純粋な戦闘用ではないにしても、アッガイは兵器であるので、武装も施されている。実はその武装が実に考えられたものであるのだ。

 アッガイの武装といえばフレシキブルアームが一番有名だろう。あの伸び縮みする腕である。この、モビルスーツとしては異様な動きに困惑した連邦軍兵士は多いという。また実用面 からいっても稼働箇所が多いので自由に動かすことが出来、リーチが伸びるので攻撃がしやすく、水中航行時は縮めて静粛性を高められ、整備時に伸ばせば補給などがしやすいのだ。

 そのフレシキブルアームにはさらに何種類かの武装が施されている。
 標準的には、フレシキブルアームを最大限活用するための格闘用クローが六本装備されている。このクロー自体も収納することが出来るので静粛性には影響しない。
 そのクローを装備せず、バルカンあるいは六連装ミサイル・ランチャーを装備しているものもある。バルカンや六連装ミサイル・ランチャーは水中では使えないので上陸作戦時に使用されたものと思われる。
 フレシキブルアームの中心にはロケット弾発射機構が備わっている。ロケット弾には恐らくサブロックが採用されていたものと思われる。これで水中でも射撃戦が出来るようになるからだ。
  またロケット弾ではなくメガ粒子砲であるとの資料もあったが、それは恐らく後期に生産されたものではないだろうか。何故ならこのような混乱はズゴックでも起こっているからだ。
  さらにこのような換装が簡単に行えるのであれば、ロケット弾ではなく炸裂弾などの通常砲弾の発射機構を備えたものもいたに違いない。通常砲弾はロケット弾と違い放物線を描いて飛ぶため、水面から地上へ攻撃できるようになるからだ。

 アッガイの頭部には105mmバルカンが四門、装備されている。頭にバルカンという構成は連邦製モビルスーツに多く見られるが、ジオン製では結構珍しい。また、105mmという口径はかなり大きく、MS-05ザクのメイン武装であるマシンガンと同口径なのだ。
  このように口径が大きいバルカンを頭部に備えたアッガイは水陸両用モビルスーツなので、他のモビルスーツのような補助武装としてではなく、メイン武装として大いに活用できるのだ。
 何故ならアッガイはその体を水中へ隠すことが出来るからだ。そして敵の多くは水面に浮かんでいる。よってアッガイは頭を水面に出すだけで強力な攻撃を仕掛けることが出来たのだ。
  また上陸時には頭部が最初に敵の前に晒されるのが普通であるので、他のどの武装よりも素早く攻撃が出来るのだ。

「ふむ~、これだけを見てると“アッガイって凄いんだなぁ”って、つい室長の策略に引っかかりそうになるね」
「何を言うか! これは真実である! アッガイは凄いんだ!」
(はいはい……)

4・アッガイの運動性能

 これには誰も異論はないだろう。アッガイは水陸両用であるにもかかわらず、運動性能がすこぶる高いのだ。
 【機動戦士ガンダム】において、アッガイで一番有名なシーンは、ジャブローからの撤退時におけるアッガイの行動であろう。
 狭いジャブローを素早く進むためにジャンプし、フレシキブルアームで天井を叩いて進んでいく、というシーンである。 文章では説明しにくいのだが、狭い隙間に入っていくブロック崩しのボールみたいなものである。このような動きが出来るモビルスーツは純粋な陸戦用のものでも、ないのだ。
 またアッガイの足は接地面積が大きく、足の大きさに比べて胴体はそれほど大きくないので安定性にも優れており、 恐らく操縦性にも優れていたと考えられるのだ。

「ジャブローからの撤退時って、戦車とかだったら戦うくせに、ガンダムが出てきたとたんに逃げ出したっていうシーンですよね」
「愚か者! ガンダムが出てきたら逃げるに決まっておるだろう。ガンダムを撃破しに来たんじゃないのだからな。そもそもボラスキニフ(ゾックのパイロット)のようにガンダムに手を出したものはことごとく、たとえエースパイロットであってもやられてしまうしな。アッガイが逃走したのは戦術的に正しい選択なのだよ! 実際、現代において兵員輸送車が主力戦車と鉢合わせしたら普通、逃げるぞ」
「まあ、それはそうですねえ、確かに」

5・アッガイの派生

 派生機を生んだモビルスーツは傑作ザク2、そしてアッガイだけと言ってよい。(連邦にはRGM-79ジムがある)
 ザク2は砲撃戦用、偵察用、水中用、作業用など、多くの派生機を生み出している。そして我らがアッガイも格闘戦用と砲撃戦用の2種、アッグガイとジュアッグを生み出している。(ここで言う派生型には高性能化と試験用は除外している。すなわち運用方法がまったく異なるものである。またMS-14Cゲルググキャノンというものもあるが、ビームライフルの開発が遅れたために大型バックパックを積んでみただけ、との経緯があると聞いたので除外する)
 派生機を開発するのに癖のある機体や欠点のある機体は使わないだろう。すなわち派生機が存在するというのは優秀であることの証明になるのだ。

「はあ、また何か飛躍してる気が……」

 

 どうだ! アッガイはやはり素晴らしいモビルスーツなのだ! もうどう考えても!!
「いや、その、あの、はい……、アッガイは素晴らしいです……」
『フハハハハハ!  ようやくアッガイの素敵っぷりを理解したか、いづみくん! これで君もホームランだ!』
 そうだぞ!  アッガイはガンダム世界の歴史のどこを見ても特別な存在である、唯一無二のモビルスーツなのだ! アッガイの素敵さは宇宙世紀において永遠に語り継がれることであろう! アッガイよ永遠に!!

(もう何がなんだか……)

(って、いつものことか……)

(つうかわたし、いつも最後には理解しちゃってるかも。ダメダメじゃん……)

 

編集後記:

「アッガイですね」
 ああ、アッガイだな。

「……前にもこんなやりとり、してませんでしたか?」
 なにもかも、みな、なつかしい……。

「ところで、なんか修正前には“6”があったような気がするんですが」
 それだ。
 古い資料ではアッガイは“AGUY”なのに、【公式百科事典】では“ACGUY”となっていたんだ。だから残念だが修正、削除、と相成ったわけだ。いづみくんがコーラを吹き出していたりして結構お気に入りだったんだがな。

「え、あ、そんなのは削除でいいです! はい消えた~♪」
 ……まあいいか。

「そうそう、カジハラ予備役中佐なんですが……」
 カジハラがどうかしたか?

「いえね、なんか唐突に出てきたなぁ、とか」
 ふむ。いや、実は唐突ではないのだがな。【マ・クベの生き様】と、この【アッガイよ永遠に】の間に一つ、騙りがあったのだよ。

「ほえ。そういえばあったような、なかったような……」
 まあ、内容がちとアイタタタだったので、速攻で欠番になったというイワクツキだったりする。実際はかなりのお気に入りなのだがな。

「はうぅ。ま、カジハラさんにはご愁傷様、ってことで」
 ことで。

 

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